2013年7月28日日曜日

ファイルメーカーによる破産申立書作成のフロー。

 FileMakerによる自作の事件管理データベースから
Excelファイルを出力できるようになったことによって、
破産申立書作成のフローは以下のようになりました。

 まず受任時に依頼者の情報のほかに
債権者の情報を入力する必要がありますが、
よく使う債権者についてはリストに登録しておけるため、
リストから呼び出すだけで入力が終わります。




 上記のリストの中の「今回使う」ボタンを押すと,
ファイルメーカーの「債務整理状況表」タブにその債権者の名前が
入り,住所等もセットされた状態になります。



















 そのセットされた名前、郵便番号、住所等を使って、
受任通知を郵送することができます。
 受任通知の文面自体は,「破産受任通知(金融機関用)」等の
ボタンから印刷できます。
 郵送の際の封筒のラベルも「債権者ラベル印刷」ボタンで
ラベル印刷用の表が表示されるので,一気に印刷。



















 履歴が開示されて、計算が終わったらその金額をファイルメーカーに入力。
 破産申立書の債権者一覧表に必要な情報として、
借入開始日、最終借入日、最終返済日も債務整理状況表の右側の欄に入力。
 (この時点で、借入開始日の古いものが上になるように
自動的に並び替えがされます。)
 なお、過払いが生じていた場合の請求FAXや支払いの和解書も
ボタン一発で印刷。
















 

(上の画面では,一つの債権者だけ借入開始日,最終借入日及び最終返済日が入力された状態となっています。)
 すべての債権者についての情報が確定した段階で、
「破産申立書作成」ボタンを押します。
そうすると、スクリプト(ファイルメーカーで使える簡単なプログラムのようなもの)が動作して,
破産を申し立てる方の名前、ふりがな、生年月日、住所等の
情報及び債権者の住所,債権額等の情報が入力された状態の
エクセルファイルがデスクトップに作成され,自動的に開かれます。
(なお,厳密に言うと通常のエクセルファイルとはファイル形式が異なるので,
念のため「名前をつけて保存」を行なって,ファイルの形式を「.xls」ないし「.xlsx」に変更しておくことをおすすめします。)






















 上記のエクセルファイルには,債権者一覧表も入力済みです。
(厳密に言えば,直接は「債権者一覧表ラベル用」というシートに入力されて,
それが関数によって債権者一覧表に表示されるということになります。)







 その他の項目については,基本的に従来使用していた
エクセルファイルそのままですから,
その先は従来通り進めていくことができます。

 なお,申立ての際のラベル印刷も入力済みのエクセルファイルから
行うことができますから,大手の業者に対してしか
債務のない人の場合であれば,受任から申立てまで,
一度も住所の入力をする必要がない,
ということになります。

 機械に任せられるところは機械に任せた方が,
正確で,かつ,時間と労力を省くことができます。
 そのような,「機械に任せられるところ」がまた一歩広がりました。

 この先の構想としては,文書の作成だけではなくて,
いつ何をすべきかということについてもある程度機械が
教えてくれるような状態を実現したいと思っています。
 具体的には,いくつかのフローチャートに答えると
必要書類がリストアップされ,その書類を取得したら取得日を入力する。
 そうするとその書類の有効期限等が自動的に入力されて,
各書類の有効期限が切れそうになると,
事前にファイルメーカーが教えてくれる,というような状態を
実現したいと思っております。




2013年7月15日月曜日

ファイルメーカーによる訴状等作成支援機能

 事件管理データベースに情報が溜まってくると,
同じ情報を二度入力したり,コピペしたりということが
とても手間に感じられてきます。

 そうなってくると,書面作成についてもなんとか
ファイルメーカーでできないかという欲が出てきます。

 ファイルメーカー上でもA4で1枚程度の簡単な文書については,
作成して印刷できるようにはしていましたが,
インデントの微調整や,複数ページに渡った場合のページ番号の問題など諸々の問題があって,長文の作成にはやはり限界がありました。

 なんとかWordにデータを渡して連携を図るしかない,
と思っていたのですが,この度,試行錯誤が実を結び,
直接Wordファイルとして書面のデータを出力できるようになりました。


 詳細は以下のとおりです。

クリックで拡大


 まず訴状作成画面の左下にある「訴状ひな形呼び出し」ボタンを
押すと,典型的な訴状の骨子を呼び出す画面が出てきます。


クリックで拡大

 使いたいひな形の請求の趣旨,請求の原因それぞれについて,
「訴状に貼り付け」というボタンを押すと,
訴状作成画面の請求の趣旨,請求の原因欄に
データが貼り付けられます。

 この訴状のひな形データは使えそうなものが新たに生じる都度,
追加していくこともできます。
 また訴状の類型ごとに絞り込んで表示することもできます。
 このようなひな形を利用することで要件事実の漏れや勘違い
などの初歩的なミスを防ぐことが期待出来ます。

 元の訴状作成画面の右上には,訴額を入力する欄があります。
 訴額を入力すると,700万円までは印紙代が自動的に入力されます。





 ある程度必要な情報が入力できたら,
「訴状レイアウト」というボタンを押します。



 そうすると
「作成日付(例えば今日なら「20130715」)+依頼者名+訴状.doc」という名前でデスクトップにファイルが作成され,自動的に開きます。
 作成されたWordファイルは,住所,氏名,管轄裁判所等,
データベースに入力済みのデータは自動的に転記されている
状態となっています。
 相手方が個人か法人かに応じて,自動的に入力される情報は変化するようになっています。

 ひな形から入力した請求の趣旨,請求の原因等ももちろん入力された状態となっています。
 もっとも,請求原因のインデント等については,整える必要がありますから,そこから先はWordの方で細かい調整をしていきます。

 以上の通り,Wordファイルとして出力できるようになったことで,
より意図したとおりの文書作成に近づきました。
 とりあえず現時点で出来ているのは,訴状作成機能と送付書兼受領書作成機能だけですが,他の書面でも原理は同じなので,準備書面や各種申立書等も時間の問題です。

 (2014年12月7日追記。その後ファイル名の変更により,上記のひな形からの請求の趣旨及び請求の原因のコピーが機能しなくなっていました。現在再度修正して使えるようになっています。)