2013年5月29日水曜日

ファイルメーカーによる事務処理軽減の実際

自作のファイルメーカーのシステムで,実際にどのように省入力が実現されているのか。
百聞は一見にしかずということで,実例でご紹介します。

システムでは,まず最初に利用者の情報を入力するようになってます。







その後顧客情報,事件の情報等を入力していきます。



















そうすると各種書面を作成する際に,必要な場所に自動的に必要な情報が反映されるようになっています。

例えば,「FAX連絡書」を作成したいという場合。


下のような作成用の画面があります。


上の画面の「送信先選択」のところで,例えば「依頼者」というのを選択して,「レイアウト確認」ボタンを押すと,

























日付,送信先,利用者の住所・名前・連絡先,件名・あいさつ(作成時に編集可能)などが自動的に入力された状態になっています。
 元の画面に戻って,「本文」の中を編集すれば,レイアウトの本文部分が編集された状態になります。
 レイアウト確認画面で確認して,問題なければ,「印刷」ボタンを押して印刷します(うちの事務所の場合,ダイレクトFAX機能がついていますので,通常は印刷することなくそのまま直接FAXを送信します。そのために印影も画像として取り込んでます。)。

FAX送信書に限らず,係属裁判所名・事件番号・事件名・相手方代理人事務所名・代理人氏名・FAX番号など一回入れた情報を使って,期日請書や,後見関係の報告書などいろんな書面の必要な箇所に必要な情報が自動的に入力されるようになっています。


「こんなのコピペでもいいじゃないか」という考えもあるかもしれませんが,コピペ元のファイルがどこにあるのか探す手間が省けたりとか,コピペ元のファイルの古い情報を消し忘れるという事故を避けることができたりとか,全体的に見れば事務作業量の軽減につながるのではないかと思います。


2013年5月25日土曜日

弁護士とデータベースソフト



私は弁護士業務を行うに当たって,ファイルメーカーというデータベースソフトを利用しております。

データベースソフトとは,名前や住所などのいろいろなデータを入力しておいて,
それを表の形式で表示したり,必要なものだけ呼び出したりして,様々な形で活用するというようなソフトです。
弁護士も顧客のデータ,事件のデータなどを扱いますから,
データベースソフトを利用することで業務の効率化が図れるのではないかと思ったわけです。

データベースソフトを導入するならば,
特定の環境でないと使えないとかではなく,
なるべく広い範囲の環境で使えるものを作りたいと思っていました。
そうしたおり,
ファイルメーカーのiOS版(のようなもの)が無料になるというニュースを目にして,
「これはいい!」と思いました。
ファイルメーカーはもともとWindows,Macのどちらでも使える製品である上に,
やろうと思えばiPhoneやiPadでもそのデータベースを利用することが出来るというわけです。
これは大変夢のふくらむ話です。

そんなわけで2012年10月にファイルメーカーを購入し,とりあえずシステムを作ってみて同年11月から実戦投入。
実務で使いながら少しずつ修正を加えて現在に至る,という状態です。

ファイルメーカーというソフトのいいところは,
画面のデザインの微調整等もマウスで直接できますので,
直感的な操作でシステムを作ることができるということがあると思います。
その他特別プログラミングのようなことをしなくても,
それなりにきちんと動作するものが出来上がるという点もとてもありがたいです。
システムの設計,修正が容易なので,とりあえずのプロトタイプをつくってみて,
適宜修正を図るというやり方が十分可能です。












どんなメリットがあるのか

1 同じ情報を繰り返し入力するという事態を回避して省力化を実現
 一度入力した情報が再度必要という場合は,自動的に入力された状態にできます。

2 情報の一元管理
 自分で作成したデータベースには,関係者とのやりとりの記録(いつ,誰と,どんな話をしたのか)や,期日の進行,やるべきこと,預り金の出納帳などなどが全て一元的に含まれているので,多少のことであればわざわざ記録を探して持ってきたり,パソコンの中でファイルを探したりということをする必要がなく,欲しい情報にすぐにアクセスすることが出来ます。

3 定型的な処理の自動化
 物事の中には,「これをやったら必ず次にはこれをやる」と決まっているものがあります。
 パソコンはこのようなものの自動処理は得意です。
 データベースソフトももちろんこのようなことはできますので,手間を減らすことができます。

具体的にどんなことができるのかということについては,
項目を分けてご紹介したいと思います。